クラウド遠隔指導支援システムDxDoor Neuroとは?
血管造影画像をリアルタイムで指導医に伝送 —
手術中にも遠隔地のベテラン医師とのアドバイスをつなぐことで、忙しいドクターを支援します。
脳血管内治療に特化した新しい遠隔指導支援システム。
DxDoor Neuroは脳血管内治療で行う手術現場において遠隔地の
医師への指導支援の実現を目的とし、順天堂大学との共同研究
から開発されました。
DxDoor Neuroは
順天堂大学 大石教授との共同研究によって開発されました。
地域や医療機関毎の脳血管内治療の質の偏り改善に向けて
血管内治療は、脳梗塞、クモ膜下出血など脳卒中を引き起こす脳血管疾患を対象とし、経皮的にカテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入する治療法です。
従来の手術とは異なり、頭部を切開せずに治療を行う低侵襲治療であるだけでなく、患者さんの予後を大きく改善できる治療法の一つとして期待されています。
日本脳神経血管内治療学会は、脳血管内治療の普及を目指して専門医制度を設けており、2021 年時点で全国に約1,800名の専門医、約400名の指導医が認定されています。
しかし、専門医・指導医の人数とその配置は必ずしも充足しているとは言えず、地域や医療機関毎に脳血管内治療の質に大きな偏りがあるという現状が問題視されています。
脳血管内治療の質の向上を推し進めるため、共同研究を通じて経験豊富な脳血管内治療医が遠隔地にいる脳血管内治療の初心者や若手医師への指導ができるシステムの改良を実施しました。
脳神経血管内治療学講座
大石 英則 教授
脳神経血管内治療学講座
大石 英則 教授
プロフィール
順天堂大学大学院医学研究科 寄付脳神経血管内治療学講座 教授
大学院医学研究科脳血管内治療学研究センター センター長
順天堂大学との産学連携
居住地域や搬送先の医療機関によって医療の差を出さない
医療体制を整えていくにはー
2020年より世界的に流行した新型コロナウイルス感染症による医師不足の慢性化や過酷な労働環境も背景として、医療関係者間のリアルタイムなコミュニケーションや必要な医療情報の共有が求められてきています。
ベーシックが開発した遠隔指導システム「DxDoor」をベースに、2021年3月より順天堂大学と脳神経血管内治療においてアンギオ画像を用いたリアルタイムコミュニケーションによる共同研究を開始し、実証検証で得られた成果をもとに、脳血管内治療の施術時において医師が必要とするコミュニケーション機能を追加したソリューションです。
当システム構築にあたっては、経済産業省 関東経済産業局 令和3年度「地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)」の採択事業により支援を受けました。
学校法人順天堂「地域企業と目指すスマート医療・健康社会の実現にむけた実証事業」に実証企業として参加し、順天堂大学が展開するオープンイノベーションプログラム「GAUDI」の支援のもと で実証検証を行いました。
協力機関:順天堂大学 革新的医療技術開発研究センターGAUDIプログラム
GAUDIでは、開発シーズを持つ学内外・国内外の研究者、企業に順天堂の誇る大規模臨床プラットフォームを活用して頂きながら、本学医師及び医療従事者との協働による臨床試験(特定臨床研究や医師主導治験等)や検証実験のフルサポートを行います。また、運営事務局として学外のシンクタンク、CRO(開発業務受託機関)、弁理士を加え、それぞれの領域のエキスパートと連携することで、資金調達、製品化・事業化をワンストップで支援し、革新的な医療技術の早期の社会実装を目指します。
DxDoor 4つの特徴
術中のアンギオ装置の画像をリアルタイムで指導医に伝送。
手術中にも遠隔地のベテラン医師とのアドバイスをつなぐことで、忙しいドクターを支援します。
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手術時コミュニケーションに特化したインターフェース
チャット・画像共有・音声/ビデオ通話などのはもちろん、アノテーションやポインタなどによる明確な指示機能を備えていますので情報共有を効果的に行えます。
また、参加者も10名まで共有可能ですので、小規模な医療指導などにも活用可能です。 -
Webブラウザ対応
パソコン(Windows 10,11, iPad OS 最新版)のWeb閲覧用のブラウザ(Google Chrome, safariの最新版に対応)でご利用になれます。
外出時の利用シーンを想定しタブレット等モバイル端末でも利用可能です。(一部機能制限有り) -
導入から配信開始まで簡単にセットアップ
特別な機器端末は不要で、配信側は5~15分程度で完了。
参加者は情報端末からクラウド上のサービスにログインするだけ。
指導医が遠方の際での緊急手術対応などにも有効です。 -
個人情報漏洩防止とセキュリティ対策
安心してご利用いただけるよう、以下のようなセキュリティ対策を実施しています。
・投影画像のマスキング機能
・院内ネットワークと切り離した運用設計
・チャットデータの暗号化
・端末、クラウド、サーバ間のTLS/SSL,DTLS/SRTP通信による暗号化
・ISMS認証取得
・総務省・経済産業省 医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドラインに準拠